夕方河川敷を歩いていると
子供が「アゲハだ!」と興奮していた。
私がいるのも目に入らず飛び出してきて
網を片手に一心不乱に追いかけ始めた。
友達の一人は、それは「蛾だよ!」と何度も言う。
他の4人の子供たちは追いかけるそぶりも無い。
目の前を飛ぶのは紛れもなく「アゲハ」だった。
いつでも、それは違うと夢を潰そうとする人がいる。
目の前のチャンスが過ぎ去るのをただ眺めている人がいる。
大人の世界も同じに感じた。
結局アゲハを捕まえることは出来なかった。
しかし、誰よりもアゲハの近くに行ったのは彼だけだ。
しかも後30㎝。
本当に惜しかった。
次回も彼は追いかけるだろう。
もう少しで網が届くのを
体と心で感じているのだから。